デパートの屋上などにある、100円ぐらい入れると「グワングワン」揺れる子供用の乗り物。
これなど、イラストがあるからいいようなもの、実際に言葉だけで説明しようとするとえらく苦労する。
この「見出し」にしても、もう少し気の利いた表現にしたかったのだが、何とも情けないものになってしまった。
見出しに要した文字数は四二字。
これより少ない文字数で、しかも的確な表現ができるという人がいたら、封筒に千円札を同封の上、わたし宛てにどしどし送って欲しい。
だが、苦労したのはわたしだけではないようだ。
遊園地での親子四人(夫三五歳・妻二九歳・長男五歳・長女三歳)連れの会話です。
「どこにいたんだよ、探し回ったぜ」
「ごめんなさい。この子があの100円入れると、グワングワンって揺れる乗り物に乗りたいっていうもんだから、ちょっと乗せてたの」
「いま迷子の放送頼もうかって話してたんだよな」
「ウン」
「わたしがいるんだから迷子はないでしょ」
「パパ、ぼくもその100円入れるとグワングワンするヤツに乗りたい」
遊園地の老舗、東京は浅草にある花やしきに尋ねたところ、「従業員の間では、自動機、シェイキングと呼んでますけど」自動機というのは何ともそっけないが、シェイキングのほうは納得できる。
「揺れもの」といった感じだろうか。
「でも、ちゃんとした名前かどうかはわかりません」ということなので、花やしきの経営母体で、遊園地の乗り物などをつくっているトーゴという会社に聞いてみたところ、「われわれは定置式乗り物という呼び方をしてます」
定置式乗り物。
よけいわからなくなってしまった。
さきほどの親子の会話にこの定置式乗り物を当てはめてみよう。
「どこにいたんだよ、探し回ったぜ」
「ごめんなさい。この子が定置式乗り物に乗りたいっていうもんだから、ちょっと乗せてたの」
「いま迷子の放送頼もうかって話してたんだよな」
「ウン」
「わたしがいるんだから迷子はないでしょ」
「パパ、ぼくも定置式乗り物に乗りたい」
これなら、まだ「100円入れると―」のほうが断然わかりやすい。
下手をすると、近くにいる親子連れに、「いま定置式乗り物っておっしゃってましたけど、何です?それ」と聞かれたりして、周囲を混乱させる可能性もあります。
こうしてみると、名前がわかればすべてOKというものばかりではないようです。
ちなみに花やしきの場合、1回100円で3~4分動くそうです。